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玉の柄を使う人必読! 節落ちのこと

レポート:アルファタックル・カスタマーサポート担当

防波堤や磯など、足場が高い釣り場で必携アイテムと言える「ランディングシャフト」。そう、玉網やギャフなどのツールを先端に付けて使う、いわゆる「玉の柄」。ランディングシャフトというと長いので、ここでは玉の柄としておきましょう。

釣りによっては絶対的な必須アイテム「玉の柄」。無いと魚を取り込めない
写真のものは、6.3mで16本という、いわゆる小継ぎタイプ。このモデルの場合は、先端の金具が外側に付いているタイプなので、先端の節はその次の節から抜くことはできない

「玉の柄を仕舞う時に、内側からカーボンのかけらのようなものが出てきた」「塗装の表面が割れていたが不良ではないか?」というお問い合わせをいただくことがあります。または「スムーズに伸ばせない(または縮まない)」という内容の場合もあります。ほとんどの場合、これは「節落ち」と呼ばれる現象が起きています。
※節落ちではなく「中落ち」と言う場合もあります。

これが典型的な節落ちによる破損。細長く欠けています。また、破損しているのは、この節だけでない場合がほとんど。

節落ちとは、ガイドが付いていない振出式の釣り竿=つまり玉の柄もそうです=で、細い節を太い節より先に仕舞うことにより起きる現象です。そして、細い節の先端に太い節が当たって、欠ける・割れることになってしまいます。

右の細い節が先に中に入り、その次に太い節のヘリが細い節を削るように入ってしまうことで、細い節の表面が上の写真のように欠けてしまう。そして、太い節では内側が欠けたり、割れたりする。太い節では、内側が破損するので気づかない場合がありますが、ほぼ間違いなく破損しています

欠けたり割れたりすると、当然強度が落ちてしまい、そこから折れる場合もありますし、中に欠けたカケラが入っていると伸びなくなったり縮まなくなったり、いつの間にか表面に細かな傷が付いたりします。いずれにしろ、そのまま使うことはNGで、その部分の節を交換する必要があります。ほとんどの場合、2つの節を交換することになるため、金額も高くなってしまいます。

この節落ちを防ぐためには、取扱説明書に書いてある通り「振出は必ず元竿から順に収納してください」ということを必ず守っていただくことです。振出竿や玉の柄は「伸ばすときは穂先から順に」「仕舞う時は太い方から順に」が大基本。これをしっかり行わないと、たとえ初めて使った新品でも節落ちは起きます。そして、構造的な現象なのでどんなに値段が高いものでも節落ちは起きます。また、節落ちによる破損は、製品の不具合ではないため、使用初回でもクレーム扱いにはならず有償となります

節落ちさせてしまったことに気づいたら、無理に仕舞おうとせずに、まず下栓を外して、全ての節を下から抜き出し、下の節(太い方)から継ぎ直してください。無理に仕舞わずに、すぐにこの対処をすれば節に傷を付けずに済む可能性があります。しかし、欠けや割れがあったり、カーボンのかけらが出てきたときは修理(節の交換)が必要です。そのまま使用すると折れてしまう可能性があり、先端に付けている玉網や、不具合がない部分まで水中に落してしまうかもしれません。

節落ちが起きてしまったら、下栓を外して全ての節を抜き出し、太い方から順番に継ぎ直す(入れ直す)しかありません。すぐに気づいてこの対処をすれば、傷が付かないで済むこともあります。


せっかくなので、玉の柄に関するお話しをもう少々。

この細長い金具がベルトハンガー。

玉の柄には、ベルトハンガーと呼ばれる、フック状の金具が先端に付いていることがあります。これは、歩く時にズボンのベルトに引っ掛けるという用途のためにあります。で、時々「この金具を外したいのだけど、どうすれば外れるのか?」というお問い合わせをいただきます。先端の金具はネジ式になっていて、これを回せば簡単に外れます。

先端の金属リングを外せば、フックハンガーを外すことができます。

他に、玉の柄で良くいただく質問をいくつかご紹介しましょう。

Q:上栓 下栓をなくしてしまいました。パーツ購入できますか?
A:たいてい、パーツとして保管しておりますので、ご購入いただけます。

Q:他社製のランディングツールを装着できますか?
A:当社の玉の柄のネジ規格はW1/2となっております。他社製品でもW1/2規格であれば、ほとんどの場合は装着できると思われますが、まれに取り付けられない場合があります。事前に現物同士で取り付け確認を行うことが最も安心です。

Q:魚をすくったら折れた。不良品ではないか?
A:ほとんどの場合、下の画像の左側の図のように、いわゆる「金魚すくい」のようにして魚を上げて折ってしまっています。魚を網に入れたら垂直のまま節を縮めていき、ランディングしてください。
玉の柄は「金魚すくい」のような上げ方での使用は想定しておりません。

みなさん、今回書いたことに注意して、大きな魚をたくさんすくってくださいね!