alphatackle BLOG

第12回いすみ市大原港 一つテンヤ真鯛釣大会 

レポート:フィールドスタッフ 柳沢テル

千葉県いすみ市の大原港と言えば、外房の船釣りを代表する港のひとつ。
代表的な釣り物をざっと挙げるだけでも、ヒラメ、ハタ、イサキ、シマアジ、フグ、ハナダイ、ルアーキャスティングなどなど非常に多彩。そして、大原での人気釣り物として忘れてはいけないのが「一つテンヤ」での真鯛釣り。今から15年以上前に専用ロッドが出て、あっという間に外房での人気釣り物になりました。

そんな大原港では、毎年「一つテンヤ真鯛釣大会」が開催されます。毎年、と言ってもコロナ禍の影響のため、最後に開催されたのが2019年で、今回は5年ぶりの開催となりました。今回、自分も大会に参加してきました。当日の釣りだけでなく、この大会の楽しさ・素晴らしさに重点を置いてレポートしたいと思います。

大会ポスター。前回優勝者はアルファタックル・フィールドスタッフの入稲福佳寿巳さん(通称イリちゃん)。ポスターには、イリちゃんがデカデカと載っていました。釣りが上手いのはもちろんですが、この規模の大会で優勝するって、もうスゴイとしかいいようがない。そして今回、ゲストアングラーとして我らがなおちんこと井上直美さんも。

大会受付は午前4時スタート。参加者約400名!という大規模な大会です。船の数は25隻超! 単日の船釣り大会としては日本でも有数、というか最大規模です。

自分となおちんが乗船したのは「つる丸」さん。つる丸若船長の岩瀬正尚(まさなお)さんから「テルさんも遊びに来てよ~」というお誘いがあり、仕事抜きの一般参加としてエントリー。たまたまなおちんもつる丸さんだというので、一緒に並んで釣りしました。

なおちん、自分ともメインロッドはアルファソニック・テンヤゲーム。自分は220MH、なおちんは220H。リールは二人ともテイルウォーク・スピーキー3000番クラスをセット。少し大きめサイズのリールにすることで、ロッドを立てて操作することが多い一つテンヤでのバランスが良くなるからです。

テンヤ大好きななおちんは、着々と釣っていく。大会前の一週間で、大原ではつる丸さんの他に、長福丸さんにも乗ってテンヤの練習していたとか。

イリちゃんは、大原の人気船宿のひとつ長福丸さんに乗船。

なんと、なおちんに良型のトラフグ! 大原の船宿さんは、ほとんど全てのところがフグの調理師免許を持っているのでトラフグもさばいてくれます。

3キロオーバーのワラサも。色々なゲストフィッシュが釣れるのも、大原での一つテンヤの楽しさ。

最近の実績ポイントには、数多くの大原の釣り船が。ここでは大会の前半に4kg後半のマダイがキャッチされていた(船長同士の無線で情報が入ってくる)。大会時間の中盤頃、つる丸さんも実績ポイントに入るが釣れるサイズがどうしても小さい。そこで正尚船長は大移動を決意!

やってきたのは、20分近く西へと走った水深40mほどのポイント。既に大会終了時間まで1時間ちょっと。36mくらいから少しずつ深くなっていく落ち際で喰ったらデカイです、という正尚船長のアナウンスどおりに掛かった魚がデカそう! ちなみに、この写真はファイト中に他の人のテンヤがラインに引っかかってしまったので正尚船長がほどいているところ。バレないかとドキドキしましたが、さすがの捌きで大丈夫でした。

そしてなんと、上の写真でファイト中の真鯛は5kgオーバー!そして総合優勝! 素晴らしい! 実は、優勝した方が使っていたロッドはアルファタックル・テンヤマダイFT240MHでした! それにしても、正尚船長の移動判断がバッチリ当たったのがスゴイ。サイズがちょっと小さくても飽きない程度に釣れていたので普段の日だったら移動しない状況でしたが、この日は一発大物勝負。最後のポイントに移動する前の、正尚船長の「一発狙いのバクチに行きましょう!」というアナウンスに、みんな「ウンウン!バクチいこーぜ」と頷いていたと思いますね。

こちらは第一長福丸さんの船中最大を釣った松田さん。この日は、どの船でも1kgオーバーのサイズを釣るのが大変。600gくらいが多く、ちょっと大きいと思っても800g。それくらいのサイズはいいポイントに入ると連発するんですけどねぇ・・・。この真鯛は1.3kgほどのサイズ。

船中最大魚を釣った人には、美味しいものがたくさん入った発泡スチロール箱が渡されました。中には伊勢海老や大型サザエが! 25隻以上ある船の最大魚を釣った人=つまり25人以上の人にこんな豪華賞品が渡されるなんて、大盤振る舞いですよね~~~
そして、ジャンケン大会や抽選会など、釣果に関わらずたくさんの賞品が用意されているのもこの大会の楽しみの一つ。かなり多くの人に、大はクーラーボックスから、地元いすみ市の美味しい特産品まで当たります。だから、全てが終わるまで参加者の皆さんは帰ることなく楽しんでいました。

なおちんと壇上に上がって、商品紹介をさせていただきました。自分が説明しているのは、大原のヒラメやシマアジ、イサキなど色々な釣りで大活躍できるMPGロッド「シブキ」。なおちんが手に持っているのは、大会賞品として協賛させていただいたテイルウォーク・スピーキー3000XGX

せっかくなので、大原の色々な釣りに対応する各種アルファタックルロッド(タイラバやSLJはテイルウォーク)を展示。多くの方が見にきてくださって、なおちんとイリちゃん、そして自分で説明させていただきました。

さてさて、ちょっとは釣りとかタックルの解説をしておきましょう。

大原では、ここのところ釣れていた水深は20m程度の場所と、10m前後(時には5~6mも)のかなり浅い場所の2通りだったようです。20m程度なら、よほど潮が早くなければテンヤ6~8号、10mともなれば3号でも平気。そのいっぽうで、つる丸さんが最後に行った水深40mという場所もある。40mでは、潮が早くなければ8号でもいいものの、潮が速ければ12号以上を使う可能性もある。また、20mくらいでも潮が速いと10号でも底が取りにくい時があります。自分の場合、何があるか分からないのでテンヤは4号から15号まで用意していきます。中心になる8号と、6号/10号は多めにかつ各色を準備。いずれにしろ、一つテンヤでの基本「確実に底を取れる重さのテンヤを使う」ことは重要です。

アルファタックルの一つテンヤロッドの場合、MH表示で3~15号、Hなら4~20号となっています。ここで注意して欲しいのは、3~15号と書いてあってもMAX15号で潮が速いとシャッキリ操作することはできなくなってくるということです。一つテンヤをある程度やってくると何本かのロッドを使いたくなりますが、2本持つならMHを2本ではなくMHとHを1本ずつのほうが正解です。注意したほうがいいのは、メーカーが違うと同じMHでもパワーが同じではないこと(もちろんアクションその他の面でも変わりますが)。ちなみに、慣れれば強い竿を弱く(繊細に)使うことはできますが、弱い竿を強く使うことは基本的には(物理的には、と言いますか)できません。

ロッドについて、もう一つ。アルファタックルのテンヤロッドは、チタントップCTSを持つアルファソニックと、カーボンソリッドトップのKaijin、買いやすい価格帯のFTという3つのグレードがあります。しかし、グレードよりも、特に穂先の素材による特性の違いを気にしてください。チタントップは、感度は非常に高い。そして、とてもしなやかです。この「高感度」「しなやか」という点で多くのメリットがあり、特にボトムでテンヤをステイさせているときに出るアタリは手感度・目感度ともにとても良く、他の素材だと分からないアタリがはっきり出ます。しかし、穂先まである程度の張りがあり、潮が速い、もしくは水深が深いときに操作性がいいのはKaijinです。例えば、水深がさほど深くないときはアルファソニックのMH、深場・急潮・重いテンヤの場合にKaijinのHという2本を持っていると対応できる状況の幅が相当広くなります。この大会当日は、なおちんと自分ともにアルファソニックをメインで使いましたが、Kaijinも用意していました。それは、必要を感じたときに使い分けるためです。上に書いてあるのは考え方・使い分けの一例ですが、一つテンヤをもっと頑張ろう! という人は竿の特性を踏まえたうえで実際の攻め方を考えてみるともっと面白くなると思います。誘い方・シャクリ方も、竿の特性によって多少変えてみると良いです。具体的には、アルファソニックなら小さくシャクって止める時間を長くする、Kaijinなら大きめのシャクリで、240という長さも活かしてフォールも意識する、という感じですね。

つる丸の岩瀬正尚若船長となおちん。見ての通り(ww)、陽気な正尚船長です。しかし、今回の大会で優勝を出したことで分かるように腕前はバッチリ! 自分的には、正尚船長の見切りが速いポイント移動も好きです。

いや~それにしても、とても楽しい大会でした。じゃんけん大会、表彰式、抽選会といった流れもとてもスムーズ。これだけ大きな大会だと、時々何かの準備をして間が空いてしまったりしがちですが、そういったこともなく、大原の船長さんや関係者の皆さんのチームワークの良さを感じました。

皆さんも、機会があればそんな楽しい大原の釣り大会に参加してみたらいかがでしょう。
一つテンヤの他にも、ヒラメ釣り大会もありますよ(今年3月に行われたヒラメ釣り大会は、なんと参加者600名超!)。

最後に、大原の船長の皆様、関係者の皆様、大変お世話になり、ありがとうございました。
またよろしくお願いいたします。

あ、この日の模様は、同じつる丸さんで同船取材をされていた隔週刊つり情報さんに掲載されます。ぜひそちらもご覧ください。