アルファタックル・フィールドスタッフの柳沢テルです。
シーズンになり、マルイカの話題がちょくちょく出てくるようになってきましたね。自分も2回続けてのマルイカレポートで恐縮です。
本当は、少し前に富士五湖の一つ「西湖」へヒメマス釣りに行ったのですが、ひどい雨のうえにヒメマスは超ご機嫌斜めだったのでレポートに出来ずじまいでした・・・。西湖のヒメマス釣りにいい竿あるんですよ! でも、それはまた今度。
ところで、特にマルイカフリークというほどではない人でも、最近のマルイカ釣りでは「ゼロテンション釣法(通称:ゼロテン)」なるものが主流になりつつあることは知っている方が多いのではないかと思います。以前はオモリを底から離して釣りをする、いわゆる「宙の釣り」が主流でした。。
ゼロテンという釣り方が出てきて、アルファタックルでもゼロテン対応ロッドを発売したのが2016年なので、既に8年近くになります(アルファタックルは各メーカーの中でもかなり早くゼロテンロッドを出したほうでした)。そして今やゼロテンの人が少なくても7割、日によっては船中ほとんどの人がゼロテン、マルイカ初体験でもゼロテンから、とか、3年前にマルイカを始めたがゼロテン以外やったことがない、という人も少なくありません。
さて今回のブログでは、マルイカのゼロテン釣法と宙釣りについて、あらためて考えてみたいと思います。まず、ゼロテンション釣法におけるメリットについて。
非常に軟らかな穂先を備えた専用竿を使い、オモリを底に着けた状態にすることによって、マルイカの触りを大きく分かりやすく見えるようにできることが最大のメリットと言えるでしょう。また、オモリを底に着けた状態をキープすることで仕掛けが安定するということもメリットの一つに挙げてもいいと思います。
そして、やはりデメリットはあります。
①波の上下動が大きい時にゼロテンをキープするのが難しい
②風や波で穂先がブレやすく(穂先が軟らかいため)、アタリが分かりにくい時がある
③ゼロテンを取る時間を長くするとオマツリしやすくなる
④水深が深い時は糸フケが出やすく、アタリが取りにくくなる時がある
⑤ロッドによってアタリが出やすい角度が違う
⑥穂先が非常に軟らかいため、ロッドの破損リスクがある(ゼロテンではないロッドと比較した場合)
といったように、実は多くのデメリットがあります。
勘違いしないで欲しいのですが、今回このブログは「宙の釣りも見直そう」というテーマもありますが、当然ですがゼロテンを否定するものではありません。ただ、ゼロテンをやるときは、上のようなデメリットがあることを分かっていたほうがいいです。
上に挙げた6つのデメリットのうち①~④は、宙の釣りではあまり気にしなくて良いことになります。つまり、荒れ気味の天気や水深が深い場合、無理をしてゼロテンするのではなく宙の釣りに切り替える、という選択肢があるわけです。
いっぽう、宙の釣りでのデメリットは何か。
- イカのやる気がないとき、竿先に出るアタリがかなり小さくなることがある
- 波がある時は船の上下動によって仕掛けも動くため、仕掛けが一点で静止する時間が短い
他にもデメリットと言える点はあるかもしれませんが、こうやって改めて挙げてみると意外と少ないですね。
逆にメリットと言えるのは
①初めての人でもやりやすい
②オモリが宙にある=道糸がたるまず「糸フケ」が出ない
③イカが浮いているときに対応しやすい
というようなことかと思います。
①に関してですが、船の上下動が少ない時は慣れていない人でもゼロテンキープができると思いますが、波がある時などは難しくなってしまいます。宙の釣りでは、オモリが底に着いたらリールを3回程度巻けば、それでアタリを取れる態勢になるため簡単です。
②については、自分は特に水深が深い時に宙釣りでのメリットが大きくなると考えています。水深が80mを超えてくると仕掛けを落としてすぐの時は道糸が潮の影響を受けてわずかにたわんでいる場合が多く、そのためイカのアタリが出にくくなります。宙の釣りでも底に着くまでは同じですが、底について素早くリールを巻いて錘を浮かすことによって道糸が張りやすくなります。ゼロテンでも、最初にリールを巻いて落し直せば道糸が張りますが、再びゼロテン状態にするまでにタイムラグが生じ、最もイカが反応する投入直後においてそのタイムラグはとてもマイナスになります。
③イカが浮いているときですが、ゼロテンでもスッテの数を増やす、スッテ間隔を長くする、錘の部分の糸を長くすることなどで浮いているイカに対応できますが、宙釣りではリールを巻くだけなので対処がとても簡単。
とここまで書いたように、宙釣りでのメリットは無視できない面があります。いっぽう、ゼロテンでももちろんメリットはあり、状況に応じて宙の釣りとゼロテンを使い分けることが理想的であると言えなくはありません。しかし、宙の釣りとゼロテンでは、それぞれの釣法に適したロッドがけっこう異なるという点が悩ましいところです。ですが、両方をうまくこなせる便利な存在のオールラウンダーモデルがあるのです。アルファソニックで言えば「145UL」がそれです。また、今年の新製品であるKaijinマルイカ160Lもそういったモデルです。
ゼロテンション釣法が主流、というよりほとんどとなってきた今だからこそ、今一度「宙の釣り」について考えてみました。今季、水深90~100mを攻めているときに、自分もあらためて「宙の釣りのメリット」というものを考え直してみました。なぜか。理由は単純で、アルファタックル・フィールドスタッフのなおちんこと井上直美さんはそういった深場を攻める時期でも宙の釣りでコンスタントに竿頭もしくはそれに近い釣果を出しているからです。
もちろん、マルイカ釣りのエキスパートである彼女だから、という面は多々あるのですが、水深が深い時やゼロテンを取りにくい波・風がある状況では「宙の釣り」が活きてくるのも事実。また、ゼロテンと宙の釣りをミックスしたスタイルもあります。「ゼロテンがいい」「宙釣りがいい」ということではなく、皆さんもあらためてこういったことを考えてみてはいかがでしょうか。
今季はアルファソニックマルイカGZや新生Kaijinマルイカの登場によって、アルファタックルのマルイカロッドが大充実。しかし、それだけにロッド選びで悩む人もいると思います。悩んだ時は、ぜひお問い合わせください。メール、フリーダイヤルのどちらでも大歓迎ですよ!