レポート:フィールドモニター 川添法臣
こんにちは、フィールドモニターの川添法臣(かわぞえ のりおみ)です。
シマアジも一段落、秋風に誘われて出掛けたのは大原の「ひとつテンヤマダイ」。お気に入りのニューロッドを手に、富士丸さんから出船しました。
今回持ち込んだのは「Kaijin テンヤマダイ 240L」。カブラを操作し易い長さがあり、食い込みの良い穂先を持つ繊細な調子のロッドで、コストパフォーマンスにも優れています。特に、凪模様の浅場がメインとなる秋の釣りに最適で、初心者にもぜひおすすめしたい一振りです。
──で、この日の釣り。遊動式のカブラ(17.5g)を装着して沖へと繰り出しました。初めての流しからマダイの反応は上々で、開始1時間で早くもツ抜けを達成。500g以上の“塩焼きサイズ”のみキープし、それ以下の個体は魚体に触れずに船べりでリリースするという、自分なりのルールで釣りました。
「秋は底を釣れ」というマダイの格言はありますが、そんな釣りをしているとたちまち幼魚サイズのマダイやフグ類に食い荒らされ、エサがいくらあっても足りません。着底直後に素早く底を切って、サイズアップするタナを捜しながら良型のアタリを選んで掛けて行きます。
いつもは遊動式のカブラ専用竿として使っている「Kaijin テンヤマダイ 240L」ですが、あまりに好調に釣れるのでいつもの鋳込み式のカブラも試してみました。
結果はご覧の通り、柔軟な調子でありながら、竿を曲げながら魚の重みを乗せてフッキングすれば、硬い上顎を貫通させるパワフルな一面も体感出来ました。これまで手に馴染んだオールラウンダーの「230MH」も用心で船に持ち込みましたが、「240L」一本で一日楽しめると確信しました。
──とはいえ、富士丸さんはこれまでに100m以上の深場や激流の潮の中で大鯛を狙ってきた経験もあり、今回はお守り代わりに持参したテンヤタチウオのタックルでも試してみました。非常に興味深い体験が出来たので、その結果はまたの機会に。
かくして、この日の釣果はキープした500g以上のマダイが21枚。本来のキーパーサイズである“鯛飯サイズ”(約300g)も含めれば、30枚を超える釣果となり、入れ掛かりの一日を堪能しました。今回は数釣りのレポートとなってしまいましたが、こうした小型の群れの中にも7キロ、10キロといった大物が潜んでいるのが秋のマダイ釣りの醍醐味です。シンプルな道具で挑む“ひとつテンヤマダイ”で、秋の味覚を大いに楽しんでください!
▼タックルデータ
竿:Kaijin テンヤマダイ 240L(画像左・手前)
リール:スピニングリール 3000番台
道糸:PE0.8号
リーダー:フロロカーボン2.5〜4号4.5m
テンヤ・カブラ:5号(17.5g)前後
付けエサ:冷凍エビ
▼船宿:富士丸(千葉県いすみ市大原港)
レポート:フィールドモニター 二上あや
大鯛ダービー開催で賑わう飯岡港・梅花丸(ばいかまる)さんへ出掛けてきました。
午前も午後も2隻出し、満席と言う人気宿です。
支度をして4時半に出船。
風も波もある中で、夜明け前の真っ暗な海をポイントまで走ります。北上し真沖でストップ。
最近の傾向はテンヤ号数10〜12号で釣れる事が多いと聞き、10号からスタート。
ミヨシの1番に座席を構えたのですが、波と風で体を手摺で支えつつの遠投。
釣り辛い中でもアタリが!!
海人テンヤマダイ230MHは、ハリが有り操作性が良いいので、こういうタフな状況でも扱い易く、しっかり掛けられます。
着底間も無くのアタリで合わせが効き、ファーストフィッシュから本命を取り込むことが出来ました!
程なく本命を追加!今日は良い日なのかなと、意気揚々と仕掛けを落としますが、ゲストも活発。。。
着底と同時に合わせが綺麗に決まると、カサゴ!
サバ河豚のダブル…。
船内は本命真鯛、ベラやハナダイ、反対舷ではガンゾウヒラメやでかいトラフグも上がり賑わってました。
終了時間間近で、良く引くハナダイ追加で終了となりました。
例年、今の時期は大鯛が上がるようし、ゲスト混じりで楽しめそうですので、是非テンヤマダイにお出掛けください。きっと楽しい釣行になると思います。
ロッド:海人テンヤマダイ230MH
リール:テイルウォーク スピーキー3000 XGX
釣り船:梅花丸 (千葉県旭市 飯岡港)
レポート:フィールドスタッフ 柳沢テル
千葉県いすみ市の大原港と言えば、外房の船釣りを代表する港のひとつ。
代表的な釣り物をざっと挙げるだけでも、ヒラメ、ハタ、イサキ、シマアジ、フグ、ハナダイ、ルアーキャスティングなどなど非常に多彩。そして、大原での人気釣り物として忘れてはいけないのが「一つテンヤ」での真鯛釣り。今から15年以上前に専用ロッドが出て、あっという間に外房での人気釣り物になりました。
そんな大原港では、毎年「一つテンヤ真鯛釣大会」が開催されます。毎年、と言ってもコロナ禍の影響のため、最後に開催されたのが2019年で、今回は5年ぶりの開催となりました。今回、自分も大会に参加してきました。当日の釣りだけでなく、この大会の楽しさ・素晴らしさに重点を置いてレポートしたいと思います。
さてさて、ちょっとは釣りとかタックルの解説をしておきましょう。
大原では、ここのところ釣れていた水深は20m程度の場所と、10m前後(時には5~6mも)のかなり浅い場所の2通りだったようです。20m程度なら、よほど潮が早くなければテンヤ6~8号、10mともなれば3号でも平気。そのいっぽうで、つる丸さんが最後に行った水深40mという場所もある。40mでは、潮が早くなければ8号でもいいものの、潮が速ければ12号以上を使う可能性もある。また、20mくらいでも潮が速いと10号でも底が取りにくい時があります。自分の場合、何があるか分からないのでテンヤは4号から15号まで用意していきます。中心になる8号と、6号/10号は多めにかつ各色を準備。いずれにしろ、一つテンヤでの基本「確実に底を取れる重さのテンヤを使う」ことは重要です。
アルファタックルの一つテンヤロッドの場合、MH表示で3~15号、Hなら4~20号となっています。ここで注意して欲しいのは、3~15号と書いてあってもMAX15号で潮が速いとシャッキリ操作することはできなくなってくるということです。一つテンヤをある程度やってくると何本かのロッドを使いたくなりますが、2本持つならMHを2本ではなくMHとHを1本ずつのほうが正解です。注意したほうがいいのは、メーカーが違うと同じMHでもパワーが同じではないこと(もちろんアクションその他の面でも変わりますが)。ちなみに、慣れれば強い竿を弱く(繊細に)使うことはできますが、弱い竿を強く使うことは基本的には(物理的には、と言いますか)できません。
ロッドについて、もう一つ。アルファタックルのテンヤロッドは、チタントップCTSを持つアルファソニックと、カーボンソリッドトップのKaijin、買いやすい価格帯のFTという3つのグレードがあります。しかし、グレードよりも、特に穂先の素材による特性の違いを気にしてください。チタントップは、感度は非常に高い。そして、とてもしなやかです。この「高感度」「しなやか」という点で多くのメリットがあり、特にボトムでテンヤをステイさせているときに出るアタリは手感度・目感度ともにとても良く、他の素材だと分からないアタリがはっきり出ます。しかし、穂先まである程度の張りがあり、潮が速い、もしくは水深が深いときに操作性がいいのはKaijinです。例えば、水深がさほど深くないときはアルファソニックのMH、深場・急潮・重いテンヤの場合にKaijinのHという2本を持っていると対応できる状況の幅が相当広くなります。この大会当日は、なおちんと自分ともにアルファソニックをメインで使いましたが、Kaijinも用意していました。それは、必要を感じたときに使い分けるためです。上に書いてあるのは考え方・使い分けの一例ですが、一つテンヤをもっと頑張ろう! という人は竿の特性を踏まえたうえで実際の攻め方を考えてみるともっと面白くなると思います。誘い方・シャクリ方も、竿の特性によって多少変えてみると良いです。具体的には、アルファソニックなら小さくシャクって止める時間を長くする、Kaijinなら大きめのシャクリで、240という長さも活かしてフォールも意識する、という感じですね。
いや~それにしても、とても楽しい大会でした。じゃんけん大会、表彰式、抽選会といった流れもとてもスムーズ。これだけ大きな大会だと、時々何かの準備をして間が空いてしまったりしがちですが、そういったこともなく、大原の船長さんや関係者の皆さんのチームワークの良さを感じました。
皆さんも、機会があればそんな楽しい大原の釣り大会に参加してみたらいかがでしょう。
一つテンヤの他にも、ヒラメ釣り大会もありますよ(今年3月に行われたヒラメ釣り大会は、なんと参加者600名超!)。
最後に、大原の船長の皆様、関係者の皆様、大変お世話になり、ありがとうございました。
またよろしくお願いいたします。
あ、この日の模様は、同じつる丸さんで同船取材をされていた隔週刊つり情報さんに掲載されます。ぜひそちらもご覧ください。
レポート:フィールドモニター 二上あや
9月7日、釣りジェンヌさんが開催されている、『ひとつテンヤ釣り体験』に参加してきました。
釣りジェンヌさんでは、釣り経験が少ない方でも気軽に参加出来る釣り教室を開催していて、今回は「初めてだけど、船釣りをやってみたい!」と声を掛けてくれた友人との参加です。
午前船を終えた船が戻り、船宿は人々で賑わう中、午後船チームの私達は総勢38名、2隻に分かれて船に乗ります。
30度越えの灼熱の甲板は汗だくですが、出船前のレクチャーを真剣に聞いていて、参加者の皆さんの情熱を感じました。
ポイント迄は20分。この時期の大原では、3号から5号の軽いテンヤを使う事も多いようですが「今回は初めての方も多いので最初はテンヤ8号からやってみましょう」とアナウンス。
船釣りが初めての友人にも、先生が横についてくれて、真剣な面持ちで仕掛けを落としています。すると間も無く竿が曲がり、初めての真鯛を手にしました!満面の笑みで、本当に私も嬉しい瞬間でした。
さて、初挑戦の友人に釣っていただいたので、私も釣らないと…。カジメの層を避ける為、着底後すぐリールを4回巻いてからゆっくりと誘うとアタリ!しかし上手く合わず残念。。。釣れた人の誘導テンヤの色を参考に金ピンクに変更し、仕掛けを落とすと、コンコン!明確な鯛のアタリが海人テンヤマダイ230MHから伝わってくる。ビシッと合わせが決まり、小気味よい引きです!小振りながらも本命の真鯛!!嬉しすぎる!!
船内では、時折ハタやシイラが掛かったり、楽しい雰囲気でしたが、真鯛の活性は今ひとつ。それでも皆さんアタリを感じたり、釣られて楽しまれていました。
釣りの楽しい輪が広がって行けばば良いなと思いながら帰路に着きました。
【タックル】
ロッド:海人テンヤマダイ230MH
リール:テイルウォーク スピーキー3000S XGX
釣り船:長福丸(千葉県いすみ市 大原漁港)
釣りジェンヌ
釣りジェンヌは、女性も釣りを楽しみたいをお助けするボランティア団体です。「女性のための楽しい釣りイベント」を定期的に開催しています。釣りに興味がある女性の皆さん、ぜひ釣りジェンヌのWEBサイトをのぞいてみてください!
レポート:フィールドモニター 二上あや
前々から予定していました金洲釣行が時化予報のため、予定を変更し福島県の一歩手前の平潟港まで遊びに行ってきました。
金洲は時化なのに、平潟はベタ凪。
船長からドラグはゆるゆるにしといてと、アドバイス頂き出船。45分程走り、ポイントへ到着。
早速小さなアタリがあり、合わせるとベラ。
その後もしばらくベラに遊んでもらってましたが、やはり本命マダイが欲しいところ。
ベラを避け、マダイのアタリを探すべく上棚を探ろうかと考えていると、竿に怪しい動きがあり、すかさず合わせると何かが乗りました!!
しかしマダイの様な三段引きもベラの暴れも無いものの重く、途中グイグイとよく引きます。
海人テンヤマダイで魚の引きを吸収しながら慎重にやりとりして上がって来たのは、ヒラメ!!
本命で無くとも、しっかり違和感を感じてからの合わせが決められて、無事に上げられた魚なのて、とても嬉しかったです。
潮が動かないので反応は薄いものの、忘れた頃に誰かが竿を曲げ、本命マダイや北の魚のイメージがあるソイ等、様々な魚が船中に取り込まれます。
しかし私はベラに弄ばれ、ショウサイフグにかじられ、カサゴや黒メバルに癒して貰ったものの鯛は今回は縁が無く残念‥。
急きょ振替となった釣りでしたが、普段とは違う景色も、テンヤタックルで良型ヒラメも釣ることが出来て楽しめた釣行となりました。
【釣行データ】
釣行日:2024年7月6日
釣り船:大栄丸 (茨城県 平潟港)
ロッド:海人テンヤマダイ230MH
リール:テイルウォーク SPEAKY 3000S XGX
レポート:二上あや
朝イチのシマアジから、イサキあわよくばマダイ を狙い、ロックへリレーする盛り沢山なリレー釣りに出掛けてきました。
シマアジポイントの指示棚は上から10メートル。乗船している皆で棚を合わせて、コマセを巻き指示棚でアタリを待ちますが反応無く、近くでシマアジを狙って居る船も模様が無いようでしたので、早々にシマアジに見切りをつけ撤退。
イサキ狙いで真鯛も混じると言うポイントへ移動します。指示棚25メートル。2号ウイリー仕掛けにチェンジ。
アルファソニックLG73 190MHの竿先がチョンチョンと僅かに動き、本日初の生命反応を確認。
コマセを入れ替え投入すると、本日初のイサキ! ほっとしました。
ポツリとたまに喰うのですが、食い込みが浅いのか、巻き上げバレてしまい中々取り込めない状況…。
次は気を取り直してロックフィッシュ場へ。
今期初のテンヤで狙うロックフィッシュですが、模様はどうでしょうか?
海人テンヤ真鯛240MHに持ち替え、投入し様子を見ますが、なんだかアタリ遠く苦戦気味。水温16度とまだまだ低いようですが、同船の方がカサゴや真鯛を釣りチャンス到来か⁈
着底後の小さなツンツンと言うアタリをKaijinテンヤ真鯛240MHの竿先が捉えて透かさず合わせも決った!! そして綺麗なマダイが!!
アタリを捉えて、何の魚が掛かったのかなと、引きを楽しみながら巻くテンヤ釣りの楽しさを改めて感じました。
ロック場も反応は少なめですが、忘れた頃に誰かが竿を曲げるような形で、キジハタに良型のアカハタも上がり船内が沸きました。
まだ水温低く口を使い辛い状況でしたが、次期に好適期になりと思いますので、ロックフィッシュ釣りにまた行きたいと思います。
【釣行データー】
釣行日:2024年5月11日
釣り船:乙浜漁港 有希丸(千葉県南房総市)
ーーータックルーーー
【コマセ】
ロッド:アルファソニックLG73 190MH
リール:1000番電動リール
ライン: PE3号
【ロック】
ロッド:Kaijinテンヤマダイ240MH
リール:tailwalk SPEAKY3000S XGX
レポート:フィールドモニター 川添法臣
こんにちは、フィールドモニターの川添法臣(かわぞえ のりおみ)です。今年の夏は暑かったですね。9月に入ってもまだまだ日中は30℃超えの夏日が続いていますが、海の中は秋の気配が漂い始めました。この時期に楽しみになるのが「ひとつテンヤマダイ」。満を持して、おニューのロッドを手に大原・富士丸さんから出船しました。
今回持ち込んだのは2023年のカタログで初お目見えの「kaijin テンヤマダイ 240L」と、旧モデル(青いブランク)の「海人テンヤマダイ230MH」。
これまで使って来た「230MH」はシリーズ中、最もポピュラーで“最初の1本”にお薦めなパワーと調子を持ったオールラウンダーな竿。なんですが、個人的にはもう少し長さがあって食い込みのイイ穂先を持つ竿も欲しかった。テンヤマダイブームの頃にはそうしたモデルを出しているメーカーさんもあったのですが、今は底ダチが取り易く、深場も攻め易い8号以上の重いテンヤ(カブラ)を薦める船宿さんが多く、ハリ掛かりも良いことからMH〜Hクラスの“硬めの竿”が主流となっています。そこに登場した「kaijin テンヤマダイ 240L」は「これよ!」と声を上げたくなる絶妙な仕上がり。凪模様の浅場が主戦場となる秋口を待って、待望の竿おろしです!
──で、この日の釣り。「240L」には遊動式のカブラ(20g)、「230MH」にはいつもの5号のカブラを結んで沖に出ました。一流し目は船下に遊動式カブラを落としてとりあえず船中一枚目の“鯛飯サイズ”。しなやかで食い込みの良い竿先を持つ「240L」は、餌を口にした魚に違和感を与えないためアタリが長く続き、魚の重みを感じながらの聞きアワセで難なく掛けられます。竿の長さを活かしたストロークの長いアワセ(スウィープフッキング)をすることで上顎の硬い部分でも太軸バリを貫通させることが出来るので、この竿をご使用になる際には参考になさってください。
次に、根掛かりも少ないので軽くキャストして、水深分の糸が出たところでリールのベイルを戻して船下で着底させる“カーブフォール”を試したところ、これがビンゴ。着底と同時か、着底直後に1.5mほど仕掛けをホップさせるとアタリが出るパターンでリズムを作り、数枚を獲りました。
続いて船長が「根掛かり気を付けて」と言うエリアに入ったので「230MH」に持ち替えて5号カブラの釣り。着底してそのままにしていると根に取られてしまうので、着底後、一呼吸置いて1mほどリフトします。アタリは着底後に与えている“間”に出るのですが「コン!」とアタるだけで合わせてもハリ掛かりには至りません。そこで底を切った後、竿先を叩いて(シェイクして)カブラを揺すった後、タタキを静止すると「コココッ!」というアタリが出て、瞬時に合わせればハリ掛かりする、という流れで3枚を追加しました。
この“カブラを叩く”という誘い、魚の活性が低い時には群れを散らすので注意が必要ですが「230MH」でこそ出来る魚へのアプローチなので、魚にヤル気がありそうな局面に出逢ったら是非お試しください。
そんなこんなで6時53分にはツ抜け達成。この後、潮が緩んでアタリが遠退くのですが、初登板の「kaijin テンヤマダイ 240L」に色々結んで使用感を確認しました。
まず感じるのは「キャストの気持ち良さ」。リーダの結び目の抜けが良い絶妙なガイドサイズも相まって、3号から5号なら緩やかなアンダーハンドで軽く20mは投げられます。取り込みの際もリーダーの巻き込みがスムーズなので、バラシの多い船縁でのトラブルは皆無でした。
またカブラのフォール中、PEラインは糸が張った状態でないと魚信が取れないのですが、繊細な竿先は糸にテンションが掛かった状態でも魚に違和感を与えずアタリだけを可視化するのでカーブフォールは勿論、船下への落とし込みでもフォール中の「ざらり」としたアタリを明確に取ることが出来ます。
さらにこの食い込みの良いティップは、常磐エリアで多用される“遊動式テンヤ(カブラ)”には持って来いの調子で、オモリが着底している状態でエサを違和感なく食わせると共に、押さえ込むような小さく微かなアタリを大きく可視化することに貢献します。また3号を中心とする軽量なテンヤでも着底がしっかり取れ、竿先を上げた姿勢でフォールさせれば、舟が流れている中でも確実に着底の糸フケを目視することが出来ます。
加えて、黒いブランクスになった「22海人」の“軽さ”と“手感度”は特筆。旧モデルの「230MH」と比べ「240L」は10cm長くなったのに12gも軽い。そこまで削ぎ落としたのにカタログスペック競争に走らず、軽量化と逆行する少し口径の大きいガイドに付け替えて使用感を向上させ、にも関わらずカウンターバランスも乗せずに穂先の持ち重りを感じさせない。この価格帯でこの仕上がりは“革新”と呼んで過言で無い進化ではないでしょうか。
かくして鯛飯サイズたちのアタリが遠退いた7:10。3号テンヤの使用感を試している際、着底したテンヤから伝わる何とも言えない反応。そ〜っと竿先を聴き上げて見ると、明らかに生命感のある蠢きが竿先を震わせ、そこそこの重みが手元に感じられました。これは魚信であると確信して巻きアワセを入れると、やや首を振るような反応の後にずっしりとした手応えで海底から動かない。胴まで一杯に竿をしならせながら、ぐぅーっとリフトしてくると時折「イヤイヤ」をするような反応があるモノの走りも暴れもせず、旋回しながら水面に姿を見せたのは中判のヒラメ。65cm/2.75kgのこの魚、柳のような「kaijin テンヤマダイ 240L」の調子にケンカもせず、恐らく釣られたことにも気付かずタモに収まったご様子。しなやかでありながら、この細身の竿に太軸鈎で顎骨を打ち抜くだけのパワーが秘められている事実にも驚かされました。
この先がまたアタリの遠退く時間が長く、ドテラ流しの刈込み側の流しはキャスト&カーブフォール、払い出しの流しは軽いテンヤで真下に落として、着底後にリフト、糸を出してフォールの釣り。こうした釣り方の交代も、タックルが2セットあると非常に便利で、大原では避けられない根掛かりによるテンヤのロストやマメなリーダー交換も、道具が2セットあれば瞬時に持ち替えることが出来ます。強風の日や激流の中では真価を発揮できないであろう「kaijin テンヤマダイ 240L」の他に、MHクラスのオールマイティなタックルがもう1つあると安心かつ効率よく釣りを楽しめると思います。今回は旧モデルの230MHを使いましたが、俄然、私の心中では「kaijin テンヤマダイ 240MH」「240H」への興味も急上昇! 機会があれば手に入れて、レポートさせて頂きます。
そんなこんなで沖上がりも近い10:30。鯛飯サイズと目の下1尺にちょっと足りないくらいのサイズも何枚か獲れて、ヒラメもあるから「お土産には充分かな」どと思っていたところ、着底している遊動カブラに「ざらり」という微かな魚信。明確なアタリは無いものの、重みを乗せた長めのストロークでアワセると、いつもより強気の1.5kgまで締め込んだドラグを引き出す元気な走り。竿を気持ちよく曲げてゴンゴンゴンと首を振るファイトに船長も「タイだな」とタモを持って観に来てくれました。痛快な走りも柳腰でタメ、やがてスイスイと浮かせて海面を割ったのは55cm/2.3kg、イワシを食って丸々としたコンディションの良いマダイでした。
かくして、この日の釣果はマダイが2.3kgを頭に15枚と、2.75kgのヒラメ1枚。
船中全員がツ抜け達成という好日でした。マダイの最盛期は春の乗っ込みと思われがちですが、産卵期のマダイは神経質で気難しく、大きな個体が釣り易い季節は秋だと思います。かく言う私の人生最大のマダイ(10.2kg)を釣ったのはテンヤマダイブームが大原を席巻していた9月の太東沖でした。是非、流行りの頃より数段進化した現代の専用竿を手に、ワールドレコード級のマダイを求めて、豊穣の海へお出掛けください!
2010年9月、太東沖で出た10.2kg。秋こそテンヤマダイの季節!
▼タックルデータ
リール:スピニングリール 3000番台
道糸:PE0.8号
リーダー:フロロカーボン2.5号4.5m
テンヤ・カブラ:3〜5号
付けエサ:冷凍エビ
▼船宿:富士丸 (千葉県いすみ市 大原港)
レポート:フィールドスタッフ 山崎裕
フィールドスタッフの山崎です。
相変わらずタイラバ漬けの釣行で、メインとして通ってるのが静岡県は御前崎。
ここは外海でちょっと走れば金洲や八方という有名なポイントにアプローチできます。
釣れる魚は、タイは勿論のこと、タイラバで釣れるフィッシュイーターは何でも釣れちゃう魅惑のエリアです。で、釣れる魚のアベレージが大きい!!
過去に何度もフックアウトやラインブレイクをして悔しい思いをしてきた場所でもあります。
どうにかならんかなー?? と、悩みに悩んでタックルの見直しを思い付きます。
そうだ!! グラスソリッドのロッドならこの悩み解消できるかも?!と、MID ARM GS73-190Mをチョイス。これがタイラバ用として、あつらえたようにしっくりと手になじみます。リールシートからロッドエンドまでが420mmと長く脇ばさみも苦になりません。
グラスソリッド特有の柔らかさもあってファーストタッチの時、魚に違和感を与えないような造りです。また無限に曲がるパラボリックなアクションもただ曲がるだけで無くトルク感がある力強さを持ち合わせています。
実釣1日目はカンパチでその成果を発揮してくれました。
青物のパワーファイトでもMID ARM GS73-190Mは暴れること無く力強く魚をリフトしてくれました。
実釣2日目はハタラバ便。
この日も50cmのキジハタ(アコウ)を釣り上げました。
ハタ類を釣る時には当たったら即ゴリ巻きが基本。根に潜られてしまうと、魚は踏ん張って出て来てくれません。MID ARM GS73-190Mはフルベンドしながら魚を根から引き剥がすようにリフトし続けます。
根を切ればあとはバラさないよう揚げるだけ。MID ARM GS73-190Mは途中魚が暴れても往なす柔らかさも持ってます。
グラスソリッドロッドは御前崎のようなフィールドに適してるかもしれません。MID ARM GS73-190Mは強力な私の相棒になりそうです。
【タックル】
ロッド:MID ARM GS 73-190M
リール:テイルウォーク エランワイドパワープラス
釣り船:伊達丸 (静岡県御前崎市)
レポート:フィールドスタッフ 山崎 裕
毎年恒例の夏休み瀬戸内遠征へ行ってきました。
今年はアルファタックルの中でもルアーに特化したブランドCRAZEEシリーズの組み合わせで明石・高松の海を攻略してきました。
タックル構成は
リール:クレイジーBC SW150/R
タイラバ:クレイジータイラバヘッド60g
PE0.6号リーダーフロロ3号
この組み合わせでチャレンジして行きます。
ちなみにキャスラバ用ロッドにはtailwalkのL−JIGGYS(エル・ジギーズ) SSD S631+スピニングリールはSPEAKY 3000HGXで、ラインはPE0.8号+リーダーフロロ4号。
船は毎年お世話になってる明石タイラバでは有名な海豚さん。
船長の話ではここ数日水潮の二枚潮になっててラインに角度を付けると当たりがぼやけてしまうという状況だとのこと。
ヘッドは鉛60gからスタートしましたがすぐにタングステン100gにチェンジ。
同船者のヒットパターンを参考にボトムまで落としたら超ゆっくりに巻いてきます。
ボトムから4~5巻き目ぐらいにラインを止められるような当たり。その当たりと同時に竿先を下に向けさらにゆっくり巻きます。魚が反転するタイミングで竿を起こします。
そうすればカエシまで貫通させることが出来るフッキングになります。
クレイジータイラバシャフト672MLはタイラバロッドとしてはちょっと硬めの部類。
しかし弾き飛ばすような硬さではありません。竿を充分に曲げて魚を浮かすことが出来ます。
時折鯛が首振りしますが、難なく追従してばらす心配はありません。
船長にすくってもらった鯛はイワシを捕食してるのか黒い55cmの立派な魚体です。
ここでタイラバ釣りについて大事なことを。
どんな釣りでも道具の優先順位は魚に近いところが上位に来ます。それはそうですね。魚との接点はハリなんですから。ですので、ハリ~糸~竿~リール の順番になりがちなんです。
しかしタイラバ釣りは一日中リールを巻くのが仕事。
リールの優先順位がとたんに高くなります。
一日中巻いていてゴリゴリしたりクラッチの切れが悪かったりドラグの調整が思うように行かなかったりするとストレス溜まりまくります。楽しく釣りが出来ません。クレイジーBCリールはお値段安いのにしっかり作り込まれていて一日中無巻き倒してもストレスになるようなことはありません。
翌日からは海を渡り高松へ。ここで3日間、船は高松の海を知り尽くしたワンピースさんにお世話になりました。同じ瀬戸内海でも明石と高松では様子が違います。船長のスタイルにもよりますが高松では夏は60gメイン。45~80gまで使いますが潮や活性によって鉛やタングステンを使い分けています。
この日は小潮周り。島と島の間の潮通しのいいカレント部分(流れがあるところ)にベイトが溜まりやすくなっているので重点的にそのような場所を流します。
ワンピースさんでは船長考案のビックネクタイが流行っています。魚はこのビックネクタイを何だと思っているのか不思議です。フックセッティングも高松仕様に替え、シンカーはタングステン60g。ボトムから5巻目ぐらいにネクタイを引っ手繰るようなヒット。船下に入り込むような潮でしたがクレイジータイラバシャフトはフルベンドしながらもぐいぐい魚を浮かせてくれます。
クレイジーBCリールのドラグの出もスムース。PE0.6号リーダー3号でも不安無くファイト出来ます。
揚がってきたのは60cmの立派なサイズ。
これはクレイジータックルの勝利ですね。シャローの浅いとこではキャスラバで。自分的にはtailwalk L−JIGGYS SSD S631の長さが丁度いい取り回しサイズ。気持ち良くシンカーを飛ばせます。
SLJ的にCRAZEE CASJIG投げたんですが「ヒラ」という魚釣りましたよ。
その後もクレイジータイラバタックルで釣れ続けます。
最後はアルバトロスバレットの180Lでフルベンドさせながら獲りました。今年はクレイジーシリーズを使っての明石高松タイラバでしたがそのポテンシャルはとても大きいものでした。手に入れやすい価格帯ですのでこれからタイラバを始めようとする方には必要かつ充分なタイラバセットだと感じました。
是非みなさんも使ってみてくださいね。
レポート:フィールドモニター 岡崎敬久
最近はどこに行っても中鯛ばかりで、大鯛に出会えていなかったので、大鯛中鯛祭りが絶賛開催中!?の茨城県鹿島沖に大鯛を求めて行ってきました。船宿はいつもの植田丸さんからロング便で朝9時の出船でした。
この時期の大型真鯛狙いは浅場の砂地なのでアタリが少なく、真鯛以外の魚は殆ど釣れないことから、最初はお土産狙いで港のすぐ近くでカサゴ釣りです。私はお土産の魚は要らないので、とりあえずジグを付けて投げます。数投するとアタリ!で、あがってきたのは良型マゴチでしたw
その後も近場の砂地ポイントの水深10~20mを狙いますが、当たってくるのはマゴチばかり…そして潮止まりが近くなり、船長判断で大物の真鯛狙いに切り替えます。ポイントはやや北の真沖の砂地、水深は17~20m前後です。船中ではポツポツとアタリが出ますが、あがってくるのはサメばかり(笑)
この時期の大鯛狙いはどうしても外道のサメは付き物で、あがってくるのはほぼサメか良型真鯛の二択になります。ジグを投げていましたが、掛かってきたのは丸々としたイナダ…すると反対側の胴の間辺りで2㎏前後の真鯛があがったようです。どうやらチャンス到来⁉でしょうか。テンヤに切り替えて狙います。
続いて反対側のトモの人が掛けました!最初のロッドの動きを見る限り良型の真鯛のようです。すると私のロッドにも違和感があり、小さくトップが微かに振れています。合わせるもスカ…すぐにロッドを下げて戻すと食い直した感覚があり、合わせるとグッと重さが乗り一気にドラグを鳴らしながら横走りし始めました。この水深で船が横流しの状態で潮も風も効いているので、魚はどんどん反対の右舷の方に走っていきます。しかし幸いにも掛けたロッドはkaijin240Hです。ロッドを下げて船体にラインが擦らないようにしつつ、魚に合わせてコントロールしながらガンガン寄せます。隣の先に掛けた人(3㎏弱の良型真鯛でした)よりもあっという間に引き寄せて、少し濁った水面に姿を現したのは丸々と太った腹パンの大鯛4.46kgでした!!
長さとしてはやや短く、平常時であれば3㎏後半といったところですが、見た目より遥かに重く強烈な引き味でした。
そしてここから短い真鯛の時合いとなります。投入してからなるべく底~50㎝付近を縦に動かさないように我慢しながら維持します。すると想定通り、ゴンッと来ました!潮に乗って今度は払い出しで前方に向かって一気に走ります。下は砂地でほぼ障害物も無いので安心してやり取りができます。最初は潮に乗ってかなり走ったので一瞬最初の魚より大きい感じもしましたが、止まってからは力が無くなり、あがってきたのは2.3㎏の良型真鯛でした。
この短時間に船中では良型真鯛が5枚あがり、バラシも結構あったようです。アタリは少なく何も釣れない事もありますが、掛ければ良いサイズの真鯛なので夢があります!!
しかし時合いは僅か1時間前後で終了となり、サメのアタリすら無くなりました。その後はポイントを転々とし、最後に他船で大鯛があがったとのことで同ポイントで狙いましたが、結局その1枚のみで、夕マズメも特に無く、終了までは稀にアタリがある程度で、大型ハナダイ等を追加して終了となりました。魚数としてはサメを除いて10枚ほどしか釣れず、根気がいる難しい釣りですが、大物狙いですので坊主のリスク覚悟で挑戦してみてはいかがでしょうか?
【タックル】
テンヤ用:alphatackle kaijin テンヤマダイ 240MH/240H
リール:スピニングリール3000番
ライン:PE 0.8号+ナイロン3号
テンヤ:遊動8号レッド
ジグ:40g グリキン